【完全版】カスハラ防止ガイドライン|東京都条例&5つの対策を紹介

【完全版】カスハラ防止ガイドライン|東京都条例&5つの対策を紹介

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉を聞いたことはありますか?

お客様の意見を尊重することは大切ですが、過度なクレームや暴言は、働く人たちに大きな負担をかけます。

最近では、カスハラ対策が社会的な課題として注目されており、

東京都では「カスタマー・ハラスメント防止条例」が制定

されました。

参考URL

また、厚生労働省も企業向けに「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表し、具体的な防止策を提示しています。

この記事では、カスハラの定義や影響、企業が取るべき対策についてわかりやすく解説します。

カスハラ問題に悩んでいる方や、企業の対応策を知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

カンタンな自己紹介

  • 職業:自営業
  • 40代 男性
  • パワハラの告発経験あり

職場でのパワハラを経験し、社内外に相談・告発。加害者は降格・減給処分に。

この経験からハラスメント対策や法律を学び、現在はカスハラ・パワハラ対応の情報発信をしています。

コンテンツ

1. カスタマーハラスメント(カスハラ)とは何か

1-1. カスハラの定義と背景

カスタマーハラスメント(通称「カスハラ」)とは、お客様が企業の従業員に対して行う悪質な嫌がらせや不当な要求のことを指します。

たとえば、

  • 大声で怒鳴る
  • 人格を否定する暴言を吐く
  • 長時間にわたってクレームを続ける
  • 無理な要求を押し付ける

といった行為がカスハラに該当します。

カスハラが社会問題として注目されるようになった背景には、SNSの普及が影響しています。

少しの不満でもネット上で拡散されることで、企業側が理不尽な要求にも対応せざるを得なくなり、カスハラを助長するケースが増えました。

また、「お客様は神様」という考え方が根強く残っていることも、従業員がカスハラに苦しむ要因の一つです。


1-2. カスハラが社会にもたらす影響

カスハラは、従業員だけでなく、企業や社会全体にも悪影響を及ぼします。

① 従業員の心身へのダメージ


カスハラを受け続けると、従業員は強いストレスを感じ、精神的に追い詰められてしまいます。

最悪の場合、うつ病を発症したり、仕事を辞めざるを得なくなったりすることもあります。

自殺のケースも・・・

② 企業の経営にも悪影響


カスハラ対応に時間を取られ、本来の業務が進まなくなることがあります。

また、従業員が疲弊して離職率が上がると、人材不足や新たな採用コストの増加につながります。


2. 東京都カスタマー・ハラスメント防止条例の概要

2-1. 条例制定の背景と目的

カスハラ問題の深刻化を受け、東京都は2024年10月に

「カスタマー・ハラスメント防止条例」を制定

しました。

この条例は、働く人たちをカスハラから守るとともに、企業に対して適切な対策を求めるためのものです。

特に、接客業やコールセンターなど、カスハラの被害が多い業界に配慮した内容になっています。

サービス業やサポートセンターのイメージが強いよね


2-2. 条例の主要な内容と特徴

条例には、企業が従業員を守るために取るべき対策が明記されています。

主なポイントは以下の3つです。

  1. カスハラの具体例を提示
    • 従業員に対する暴言や脅迫
    • 過度な長時間のクレームや対応の強要
    • 法外な要求(無償対応や特別扱いの強要など)
  2. 企業が取るべき対策
    • カスハラを防ぐための社内研修の実施
    • 事前に対応マニュアルを整備し、従業員を守る仕組みを作る
    • 被害を受けた従業員が相談できる窓口の設置
  3. 外部機関との連携
    • 警察や弁護士と連携し、適切に対応できる体制を整える

2-3. 施行スケジュールと適用範囲

この条例は、2025年4月1日から東京都内の事業所に適用されます。

東京都に拠点を持つ企業だけでなく、本社が東京都にある企業も対象となります。

東京の企業すべてが対象になるの?

東京都カスタマー・ハラスメント防止条例は、すべての企業が対象ではありません

条例の適用対象は、東京都内の事業所を持つ企業のうち、一定の要件を満たす事業者とされています。

具体的な対象範囲は、条例の正式な条文やガイドラインに基づいて決まりますが、一般的には以下のような企業が該当する可能性が高いです。

対象となる可能性が高い企業

  • 東京都内に拠点を持つ企業(本社・支社・営業所・店舗など)
  • 接客業を中心とした業種(小売業、飲食業、ホテル業、コールセンターなど)
  • 顧客対応を頻繁に行う企業(カスタマーサポートセンター、病院・介護施設、公共機関 など)

対象外となる可能性がある企業

  • 東京都内に事業所を持たない企業(東京都以外でのみ営業している場合)
  • 顧客との直接的なやり取りがない業種(製造業の工場、バックオフィス業務のみの企業など)

今後、他の自治体でも同様の条例が制定される可能性が高く、全国的にカスハラ対策が強化される流れとなっています。


3. カスタマー・ハラスメントの防止に関する指針(ガイドライン)

3-1. 指針策定の経緯と目的

厚生労働省は、カスハラ問題に対応するため「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を公表しました。参考URL

これは、企業がカスハラを防止するための指針であり、従業員の安全を確保することを目的としています。


3-2. 指針におけるカスハラの具体的事例

このマニュアルでは、以下のような行為がカスハラに該当するとされています。

顧客や客、利用者がスタッフに対し

  • 暴言・脅迫(「お前をクビにしろ」「訴えるぞ」など)
  • 執拗なクレーム(同じ内容を何度も繰り返し要求する)
  • 不当な要求(個人情報の開示を求める、過剰な値引きを要求する など)

3-3. 事業者が取るべき具体的な防止策

マニュアルでは、企業に対して以下の対策を求めています。

  1. 社内ルールの整備
    • カスハラに対する明確な方針を定め、全従業員に周知する
    • 対応フローを作成し、現場での判断基準を明確にする
  2. 従業員教育の実施
    • 研修を行い、従業員が適切に対応できるようにする
    • 具体的な事例を共有し、対処法を学ぶ
  3. 外部との連携
    • 警察や弁護士と協力し、企業として適切な対応が取れるようにする
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