
「セクハラを訴えたい。でも、証拠がない…」
そんなふうに悩んでいるあなたへ。
この記事は、「証拠がない」ことに不安を感じながらも、なんとか自分の尊厳を守りたいと願う方に向けて書きました。
証拠がないからといって、泣き寝入りする必要はありません。
実は、今からでもできる証拠の集め方や、法的に頼れる窓口がたくさんあるんです。
この記事では、
- 証拠がない場合の対応方法
- 今すぐ始められる行動
- 相談先
までを、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説しています。



あなたが「ひとりじゃない」と感じられるきっかけになりますように。
そして、あなたの声が届くように、この記事が少しでも力になれたら幸いです。
カンタンな自己紹介
はじめまして。40代の自営業者です。
私は過去に、職場で深刻なパワハラ被害を受けた経験があります。
流れ
- 上司からパワハラを受ける
- 社内のコンプライアンス窓口と労基に相談
- メモにまとめて、証拠として提出
- 加害者は「降格」と「減給」の処分を受ける
この体験をきっかけに、ハラスメント対策や労働法について学び、現在はハラスメントに悩む方に向けて、実体験をもとにした情報を発信しています。
1. 証拠がなくてもセクハラを訴えることは可能?





「セクハラを受けたけれど、証拠がない……。それでもどうにかしたい」
そんなふうに感じている方、とても多いんです。
実際、セクハラの被害って、密室や二人きりの場で起こることも多く、
「証拠が残りにくい」ことが大きな壁
になっていますよね。
でも、安心してください。
証拠がまったくなくても、訴える道はあります。
日本の法律では、「証拠がないから泣き寝入り」という考えはありません。
被害者の証言や状況証拠がしっかりしていれば、対応してもらえるケースも多いんです。
もちろん、証拠があればあるほど有利になるのは確か。
でも、諦めずに行動を始めることがとても大切です。



「何から始めたらいいのか分からない…」という方のために、次の項目から具体的なステップを一緒に見ていきましょう。
1-1. 証拠がない場合のセクハラ訴訟の現状
「証拠がないと、やっぱり勝てないのかな…」
そう思ってしまうのも無理はありません。
実際、裁判などになると、相手が「そんなことはしていない」と否定する場合が多く、被害者側が状況を立証する責任(立証責任)を負うことになります。
ですが、今の時代は状況証拠や証言も重視される傾向があります。
たとえば、
- 日常的にセクハラがあったというメモ
- 周囲の同僚の証言
- メールのやり取り
などが評価されるんです。
つまり、
「物的証拠はないけど、自分の感じたこと・体験したことをきちんと整理して伝えること」
がとても重要になってきます。
「何もない」と思わず、今あるものから積み重ねていくことが希望につながります。
1-2. 被害者の証言の信用性とその評価基準



「私の話、信じてもらえるかな…?」
そう不安になる方も多いと思います。
でも、被害者の証言って実はとても重要なんです。
もちろん、「ただの言いがかり」と思われないためには、証言の内容が一貫しているか、具体的か、現実的かなどのポイントが評価されます。
たとえば、
「何月何日、どこで、どういうことがあったのか」を時系列で話せる
と、信頼性はぐんと高まります。
また、自分の感情も「怖かった」「不快だった」など、具体的に伝えることで、リアルな体験として受け止めてもらいやすくなります。
完璧じゃなくても大丈夫。少しずつ、自分の中の記憶を整理して、言葉にしていくことが大切です。
2. 証拠がない場合に有効なセクハラ被害の記録方法





「今さら遅いかも…」なんて思わなくても大丈夫!
今からでもできること、たくさんありますよ。
2-1. 日記やメモで被害の詳細を記録する方法
まず始めたいのが
「日記」や「メモ」
ノートでもスマホのメモアプリでもOK。
- セクハラを受けた日
- 時間
- 場所
- 言動の内容
- 自分の気持ち
などを、できるだけ具体的に書き残しましょう。
これはいわば「自分だけの証拠ファイル」。
後になって記憶が曖昧になることを防げますし、相談や訴訟のときにも「その場限りじゃない継続的な被害」であることの裏付けになります。
できるだけすぐに書くのがポイントです。
感情も一緒に書いておくと、自分の心の整理にもつながりますよ。
2-2. 信頼できる同僚や友人への相談とその記録



「誰かに話すのも怖い…」



そのお気持ち、よくわかります。僕もそうでした。
でも、信頼できる人に相談することはとても大切です。
自分ひとりで抱え込むと、心が壊れてしまいます。
相談相手があなたの話を聞いてくれた日時や内容を、できればメモやLINEなどで記録しておきましょう。
それが将来的に
「被害を受けていたことを他人に話していた」という証拠
になります。
また、場合によってはその人が第三者証人として証言してくれる可能性もあります。
もちろん、無理に頼む必要はありませんが、「味方になってくれる人がいる」というだけで、大きな心の支えになります。
2-3. 医師の診断書やカウンセリング記録の取得
セクハラの被害によって、精神的・身体的に不調を感じることも少なくありません。
そんなときは、我慢せず病院やカウンセリング機関に行ってください。
たとえば、心療内科やメンタルクリニックで「不安」「抑うつ」「不眠」などの
診断を受けた場合、診断書をもらっておく
ことができます。
この診断書は、後に「被害によって心身に影響が出た」という重要な証拠になります。
また、カウンセラーとのやり取りや通院履歴も、心のケアだけでなく証拠として活用できます。
自分の体と心を守ることが、結果的に正当な主張を支える材料にもなるんです。
3. 今からできるセクハラの証拠収集方法


「証拠、やっぱり欲しい…」
そんなあなたのために、今からできる現実的な方法をいくつか紹介します。
3-1. セクハラ行為を録音・録画する際の注意点
セクハラ発言や行為を記録するために、録音や録画を考える方も多いです。
実際、スマホのボイスメモ機能などを使えば、会話の録音は比較的簡単にできます。



スマホをサッと取り出せない場合は、録音機能付きのペンなどもあります 僕はそれで録音していました
基本的に、自分もその場にいる状況(会話の当事者)であれば、相手に無断で録音しても違法にはなりません。
録音したファイルは安全な場所に保存し、削除しないようにしましょう。
後々、第三者に見せる場合は、必要な部分だけを使えるように整理しておくとベターです。



最初は使うのに抵抗がありますが、だんだんと慣れていきますのでご安心を
3-2. メールやチャットでのやり取りの保存方法
加害者とのやり取りが
- メール
- LINE
- チャット
で行われている場合、その内容は非常に強力な証拠になります。
ポイントは
- 「削除しないこと」
- 「スクリーンショットやPDFにして保存すること」
サーバー上の履歴が消えることもあるので、定期的にバックアップしておくのが安心です。
また、やり取りを時系列で並べておくと、相手の問題行動が継続していたことを示す助けになります。
3-3. 第三者の目撃証言を得るための工夫
「誰かが見ていたかも…」
そんなときは、
信頼できそうな同僚に「○○さんの言動、ちょっと気にならない?」などとさりげなく話を振ってみる
のも一つの手です。
誰かが「そういえば前にもそんなことあったね」と言ってくれれば、それはもう立派な状況証拠になります。
後からでも、「○月○日にこんなことがあった」と記録に残しておくと、証人になってもらいやすくなります。
4. 証拠が不十分な場合の法的手段とその流れ


「でも結局、どこに相談すればいいの?」
ここからは、行動に移すための具体的な選択肢をご紹介します。
4-1. 弁護士への相談と無料相談窓口の活用
まず最も安心できるのが「弁護士への相談」です。
法律の専門家に今の状況を伝えれば、具体的なアドバイスや次のステップを提案してくれます。
費用が不安な方には、法テラス(日本司法支援センター)などの無料相談窓口がオススメです。
電話やオンラインでも相談できるので、ハードルは低め。勇気を出して一歩踏み出してみてください。
4-2. 労働局や労働基準監督署への申告方法
セクハラは労働問題でもあります。
お住まいの地域の「労働基準監督署」でも相談できますし、実際に企業への是正勧告を出してもらえる場合もあります。



僕の場合は、まず労基に相談しました
相談は匿名でも可能で、担当者が親身になって話を聞いてくれることが多いです。
「会社の中では話せない…」という方にとって、外部機関の存在はとても心強い味方になりますよ。



労基も、スタッフによっては合う合わないがあると思います。
たとえば僕の場合はパワハラではないと門前払いされました。
スタッフを変えてもらうことで解決できました。覚えておきましょう。
セクハラに関する相談は、各都道府県の労働局に設置されている「雇用環境・均等部(室)」が担当しています。
まずは労働局の雇用環境・均等部(室)に連絡し、相談の予約を取ることをおすすめします。
相談は無料で、匿名でも受け付けている場合がありますので、安心して相談できます。
4-3. 民事訴訟と刑事告訴の違いと選択肢
最後に、「訴える」と一口に言っても、その方法には大きく2つあります。
ひとつは「民事訴訟」。
これは加害者や企業に対して損害賠償を請求する方法で、被害者の証言や記録が重視されます。
もうひとつは「刑事告訴」。
こちらは加害者を「処罰してほしい」と警察に届け出る方法です。
ただし、こちらは証拠のハードルが高めになる傾向があります。
どちらが良いかはケースバイケースですが、まずは弁護士などに相談して、自分の状況に合った方法を一緒に考えていきましょう。