「カスハラ」という言葉を聞いたことはありますか?
カスタマーハラスメントの略で、
- 理不尽なクレーム
- 無理な要求をする行為
のことです。
最近は、ニュースでも取り上げられるほど問題になっています。

本記事では、カスハラの意味や事例、対策までわかりやすく解説します。
もしあなたや周りの人がカスハラで困っているなら、ぜひ参考にしてください!
カンタンな自己紹介
- 職業:自営業
- 40代 男性
- パワハラの告発経験あり
職場でのパワハラを経験し、社内外に相談・告発。加害者は降格・減給処分に。
この経験からハラスメント対策や法律を学び、現在はカスハラ・パワハラ対応の情報発信をしています。
1. カスハラとは?意味をわかりやすく解説


1-1. カスハラの正式な定義とは?
カスハラとは、「カスタマーハラスメント」の略で、お客様や利用者が
理不尽なクレームや暴言、無理な要求をする行為のこと
を指します。
つまり、お店や企業のスタッフに対して「お客様だから何をしてもいい」という態度で接することがカスハラにあたるのです。
たとえば、
- 「こんな対応じゃ納得できない!店長を呼べ!」と怒鳴る
- 本来できないサービスを「特別にやれ」と強要する
- SNSで悪評を広めると脅す
といった行為がカスハラに該当します。
単なる「正当なクレーム」とは違い、相手を精神的・肉体的に追い詰めるようなものがカスハラにあたります。
最近では、企業だけでなく、国や自治体でも「これは大きな問題だ」と認識され、対策が進められています。
1-2. 「カスハラ」の語源と由来
「カスハラ」という言葉は、2018年ごろから使われ始めた比較的新しい言葉です。
もともと「カスタマーハラスメント(Customer Harassment)」という言葉があったのですが、それを短縮して「カスハラ」と呼ぶようになりました。
日本では昔から「お客様は神様」という考え方が根付いていました。
そのため、お店や企業はお客様の要望にできるだけ応えようとしてきました。
しかし、それをいいことに、無理な要求をする人が増えてしまったのです。



その結果、「これはもうハラスメント(嫌がらせ)じゃないか?」と社会的な問題になり、「カスハラ」という言葉が生まれました。
1-3. クレームとの違いは?カスハラの特徴
クレームとカスハラは似ていますが、決定的な違いがあります。
クレーム | カスハラ |
---|---|
商品やサービスに問題がある場合の正当な意見 | 感情的・理不尽な要求が含まれる |
相手に改善を求める目的 | 相手を攻撃する目的 |
「次は良くなってほしい」という建設的な考え | 「とにかく自分が得をしたい」という考え |
例えば、
- 飲食店で「注文した料理と違うものが出てきました」と伝えるのはクレーム
ですが、
- 「間違えたんだから、無料にしろ!」と怒鳴るのはカスハラです。
2. 具体的なカスハラの事例


2-1. 実際にあったカスハラのケース
カスハラはさまざまな業界で問題になっています。
実際に報道されたケースをいくつかご紹介します。
ケース①:コンビニ店員への土下座強要
あるコンビニで、男性客が「お釣りの渡し方が気に入らない」と店員を怒鳴りつけ、最終的に土下座を強要しました。
この件は動画がSNSに拡散され、男性は逮捕されました。
ケース②:飲食店での理不尽なクレーム
飲食店で「料理の味が気に入らない」と何度も料理を作り直させ、最終的に「食べたくなくなった」と代金を支払わずに帰ったケースもあります。
2-2. 飲食業・接客業でのカスハラ事例
飲食店や接客業では、特にカスハラが多いと言われています。
よくある事例としては、
- 「注文と違う!」と怒鳴りつけ、無料にさせる
- 「待ち時間が長い!」と店員を怒鳴り散らす
- 「愛想が悪い!」とクレームをつけ、謝罪を強要する
などがあります。
2-3. 病院・福祉業界におけるカスハラ事例
病院や介護施設でもカスハラは深刻な問題です。



医療機関でもあるんだ・・・
- 「医者の説明が気に入らない」と大声で怒鳴る
- 「看護師が無愛想だ」としつこく文句を言う
医療や福祉の現場では、人手不足の問題もあるため、こうしたカスハラは職員の負担をさらに増やすことになります。
2-4. IT・カスタマーサポートでのカスハラ事例
カスタマーサポートの現場でも、カスハラは多く報告されています。
- 「すぐに解決しろ!」と無理な要求をする
- 「対応が遅い!」と暴言を吐く
- 解決した後も何度も同じクレームを入れる
カスタマーサポートの担当者は、すぐに解決できない問題も多いですが、カスハラをする人は「とにかく自分の要求を通したい」と強く主張してきます。



カスタマーサポートだけのハラスメントかと思ったけど、すべての業界でもカスハラになるんだね
3. カスハラを防ぐための対策


3-1. 企業が取るべきカスハラ対策
企業がカスハラ対策をするためには、
- 社内ルールを明確にする(カスハラにどう対応するかマニュアルを作る)
- 従業員を守るための体制を作る(クレーム対応を1人でやらせない)
- カスハラ客には毅然とした対応をする(過度な要求には「できません」と伝える)
などが重要です。
3-2. 従業員ができる自己防衛策
従業員自身も、カスハラから身を守るために、
- 1人で対応せず、上司に相談する
- すべてのやり取りを記録する
- 感情的にならず、冷静に対応する
といった対策を心がけるとよいでしょう。
3-3. もしカスハラを受けたら?適切な対応方法
カスハラを受けた場合は、
- 毅然とした態度で対応する
- 無理な要求にはきちんと「NO」と言う
- 場合によっては警察や弁護士に相談する
ことが大切です。