「お客様は神様」なんて言葉をよく聞きますが、最近では「カスタマーハラスメント（カスハラ）」が社会問題になっています。
店員さんや会社の担当者に対して、
無理な要求をしたり、暴言を吐いたり…
そんな行為がエスカレートすると、訴えられることもあるんです。
実際に、カスハラが原因で警察沙汰になったケースや、企業が法的措置を取った事例も増えています。
本記事では、
- カスハラとは何か
- 実際の事例
そして私たち個人ができることについて詳しく解説します。
「カスハラってどこからがアウトなの？」
「実際に訴えられた人っているの？」
そんな疑問を持っている方に向けて、初心者でも分かりやすくまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください！
1. カスタマーハラスメント（カスハラ）とは
1-1. カスハラの定義と概要
カスタマーハラスメント、略して「カスハラ」という言葉を聞いたことはありますか？
最近、ニュースやSNSでもよく話題になっていますよね。
カスハラとは、
お客様（カスタマー）が、店員や企業の担当者に対して、理不尽な要求や暴言、威圧的な態度を取る
ことを指します。
ただのクレームとは違い、「相手を精神的に追い詰めるような言動」が特徴です。
「接客業をしていると、一度は理不尽なお客様に当たることがある…」と思ったことはありませんか？ それが度を超えると、カスハラになるんです。
1-2. カスハラが社会に及ぼす影響
カスハラは、個人だけでなく社会全体に影響を及ぼします。
特に、サービス業や接客業では、カスハラによる精神的な負担が原因で「仕事を辞めたい…」と感じる人が増えているんです。
「お客様は神様」ってよく言われるけど、それを盾に無理な要求をするのは違いますよね。
働く人も、気持ちよく仕事をしたいものです。
2. カスハラによる法的責任
2-1. カスハラが該当する可能性のある犯罪
カスハラをすると、場合によっては法律違反になり、刑事事件として訴えられることもあります。
具体的に、どんな犯罪に該当するのか見ていきましょう。
2-1-1. 暴行罪・傷害罪
- 「店員に対して物を投げつける」
- 「肩を強く押す」
- 「殴る」
などの行為は暴行罪に該当します。
さらに、怪我を負わせてしまった場合は傷害罪になります。
2-1-2. 脅迫罪
- 「お前の会社を潰してやる！」
- 「家まで押しかけるぞ！」
などと脅した場合、脅迫罪に問われる可能性があります。
相手が恐怖を感じるような発言はNGです。
2-1-3. 名誉毀損罪
「この店は詐欺をしている！」といった根拠のない悪評をSNSに書き込む
と、名誉毀損罪に該当することがあります。
企業の信用を傷つける行為は、法的に罰せられるんです。
2-1-4. 強要罪
「土下座しないと許さない！」と強要する行為
も犯罪になります。
過去には、土下座を強要した客が逮捕された事例もあるんですよ。
「ちょっと感情的になってしまっただけ…」と思っても、法律に触れる可能性があるんです。
言葉や行動には気をつけたいですね。
3. カスハラで訴えられた実際の事例
3-1. 賃貸保証会社従業員への暴行事件（2024年6月）
これはつい最近の事件です。賃貸保証会社の従業員が、家賃を滞納していた入居者に対して「支払いのお願い」をしたところ、相手が激昂。
「ふざけるな！」と怒鳴り、机を叩いたり、従業員の肩を強く押すなどの暴力
を振るいました。
この入居者は、会社側から警察に通報され、最終的に暴行罪で逮捕されました。
賃貸保証会社は被害届を提出し、加害者には法的責任が問われることに。
お金の問題は誰でもストレスがかかるものですが、それで相手に暴力を振るうのはアウト。冷静な対応が大切ですね。
3-2. 愛媛県伊方町役場職員への脅迫事件（2024年5月）
こちらは役場の職員が被害に遭ったケースです。
ある住民が「自分の要望が通らないのはおかしい！」と怒り出し、
職員に対して「お前の家を突き止めてやる！」「家族にも影響が出るぞ！」と脅迫
しました。
役場は多そう・・・
役場側は警察に相談し、住民は脅迫罪で書類送検されることになりました。
公務員も一人の人間。
無理な要求をしても、対応には限界があります。
「役所の対応が遅い！」とイライラすることはあるかもしれませんが、怒りにまかせた発言が犯罪になることも。
気をつけたいですね。
3-3. ファッションセンターしまむらでの土下座強要事件（2013年）
少し前の事件ですが、カスハラの象徴的な事例として有名です。
ある女性客が「店員の態度が悪い！」と激怒し、土下座を強要。
さらに、その様子を写真に撮り、SNSに投稿しました。
あ～ そんなことあったね
この行為は「強要罪」に該当し、女性は逮捕されました。
土下座を強要するのは犯罪行為なんです。
「謝ってほしい」という気持ちは分かるけど、土下座を強要するのはやりすぎ。相手にもプライドがありますよね。
3-4. 取引先からのカスハラ訴訟事例（2024年）
カスハラは、一般の消費者だけでなく、企業間の取引でも発生します。
ある企業では、取引先から
「契約内容を一方的に変更しろ」「従業員を辞めさせろ」などの無理な要求
を受け、断ったところ「今後の取引はすべて停止する」と脅されました。
この企業は、弁護士を通じて訴訟を起こし、「業務妨害」として損害賠償を請求しました。
結果、裁判所は企業側の訴えを認め、取引先に賠償金の支払いが命じられました。
「仕事の取引だから…」と無理を聞いてしまいがちですが、理不尽な要求には毅然とした対応が必要ですね。
4. 法的措置を視野に入れた対応事例
カスハラがエスカレートすると、企業側も法的手段を取らざるを得ないケースがあります。
たとえば、以下のような対応が行われています。
✅ 弁護士を通じた警告書の送付
悪質なクレームを繰り返す相手には、
弁護士名義で「これ以上の迷惑行為はやめてください」と警告
する書類を送ることがあります。
✅ 業務妨害での損害賠償請求
カスハラによって業務が妨げられた場合、企業側が損害賠償を請求することもあります。
✅ 警察への通報・告訴
暴力や脅迫があった場合は、迷わず警察に通報するのが基本です。
最近では、企業側が「通報します」と明確に伝えることで、カスハラ行為を抑止する効果も期待されています。
「お客様だから…」と我慢するのではなく、毅然とした態度を取ることが大切ですね。
5. カスハラ被害を防ぐために個人ができること
5-1. カスハラの兆候を見逃さない
カスハラは突然発生するわけではなく、「兆候」があります。
たとえば、以下のような言動が見られたら注意が必要です。
- 「お前の責任だろ！」と過剰に責任を押し付ける
- 長時間のクレームや、何度も同じことを言う
- 「会社を訴えるぞ」「ネットに書き込むぞ」と脅す
こうした兆候が見られたら、一人で対応せず、すぐに上司や専門の担当者に相談しましょう。
「ちょっと変だな」と思ったら早めに対処！ ひとりで抱え込まないのが大事ですね。
5-2. 早期に上司や専門部署へ相談する
カスハラに遭ったとき、一人で対応しようとすると精神的に大きな負担がかかります。
問題が大きくなる前に、上司や専門部署へ相談しましょう。
- すぐに報告する … 「こんなお客様がいた」と早めに共有
- 対応を引き継いでもらう … 一人で解決しようとしない
- カスハラ相談窓口を活用する … 企業に専門窓口がある場合は、積極的に利用
「自分が何とかしなきゃ…」と抱え込むのはNG！ 会社や上司と一緒に解決しましょう。
5-3. 自己防衛のための記録と証拠の保全
カスハラの被害に遭ったとき、後から「そんなこと言ってない！」と否定されることもあります。
証拠を残しておくことが大切です。
- 録音・録画する … 可能なら会話を記録
- メモを取る … いつ、どこで、どんなことを言われたのかを記録
- メールや書類を保存する … 文書でのやり取りも重要な証拠
こうした証拠があれば、会社や警察に相談するときにも役立ちます。
「言った」「言わない」の争いにならないように、証拠を残す習慣をつけると安心ですね。
