近年、急増していると話題になっている性感染症の梅毒。
では、梅毒は家族にうつるのでしょうか?
他人からもらった病気を家庭に持ってきてしまうとしたら怖いですね!
今回は梅毒について、
- 梅毒は日常生活で家族にうつるのか
- 梅毒の症状
- 梅毒の感染経路
- 梅毒の治療法
という項目で調べて行きたいと思います。
なお、本記事は経験談などをまとめたものになるので、適切な医療機関に診てもらうことを前提に最後まで読んで頂ければ幸いです。
梅毒は家族にうつる?
性感染症の梅毒が急増しています。
では、梅毒は本当に家族にうつるのでしょうか?
その答えとしては、
注意すればうつる可能性は低い
と言えます。
しかし逆に言えば、
気を付けないと家族にうつる危険がある
ということです。
梅毒にならない、また家族にうつさないためには梅毒について知識を持っている必要があります。
知らない間に感染し、知らない間に家族にうつしていた。
といったことが無いように、情報の一環としてお伝えすることができればと思います。
それでは詳しく紹介していきます。
梅毒ってどんな病気?
梅毒とは?
梅毒とは性感染症のひとつです。
梅毒トレポネーマという細菌に感染することで引き起こされる病です。
梅毒の特徴は下記の5点です。
- 潜伏期間が長い
- 症状が段階的に現れる
- 無症状の期間もあるため感染に気が付かない
- 症状や進行の個人差が大きい
- 最終的な発症までおよそ数年から数十年の歳月がかかる
感染すると最後にはどうなっちゃうの?
症状の過程がいくつかあり、最終的には
- 腫瘍が皮膚や骨、臓器にできる
- 失明・臓器以上をきたす
- 心臓や神経、脳の病変
- 死に至ることもある
ということが起こり得ます。
末期症状に行き着くまでの様々な症状については後ほど説明します。
感染したらもう治らないの?
いいえ、現行の梅毒には治療法が確立されています。
早い段階でしかるべき医療機関を受診すれば治るのです。
しかし、症状が進行して脳や内臓に異常が現れてからでは完全に回復するかはわかりません。
症状が進行してからでは、対処療法でその都度治療に当たらなくてはならないと言われています。
お早目の医療機関の受診が大切です。
梅毒の症状
梅毒の症状は、4段階に分けられます。
先に触れたように、発症までの期間や症状は個人差が大きいので、例としてご覧ください。
- 第1期
発症するまでの期間:約3週間~
症状例:- 外陰部などの粘膜、皮膚にイボのようなできものができる
- 足の付け根、リンパ節が腫れる
・痛みや痒みを伴わないことが多く気が付かない
・治療をしなくても2~4週間で症状が無くなる- 第2期
発症するまでの期間:感染から3か月~
症状例:- 全身、特に手のひらと足の裏への赤い発疹(通称バラ疹)
- 脱毛
- 発熱や倦怠感
- まれに髄膜炎などを併発
・湿疹は痛みや痒みを伴わないことが多い
・治療をしなくても数週間から数か月で症状が無くなる- 第3期
発症までの期間:第2期終了から2~3年
症状例:- 全身に発疹、炎症を起こす
- 骨、皮膚、筋肉、臓器に腫瘍ができる(通称ゴム腫)
・第3期発症までに第2期の症状を再発することもある
- 第4期
発症までの期間:第3期発症~数10年
症状:- 臓器に腫瘍
- 脳、神経、脊髄、神経が病変
- 麻痺性の痴呆
- 死に至ることも
・日常生活は困難
・感染者でも第3期以降を一生発症することなく終える人もいる
いかがでしょうか?
とても怖い病気だということがわかりましたね。
ただし、現代では第2期までに治ってしまうことがほとんどだそうです。
医療の発達に感謝ですね!
それでは、肝心の感染経路について説明していきたいと思います。
梅毒って何をしたら感染するの?
梅毒は何をしたら感染するのでしょうか?
性感染症というくらいなので、性交渉であることは想像がつきますね。
避妊具をすれば大丈夫なのでしょうか?
梅毒の感染経路
ポイントとしては梅毒の性質から知っておく必要があります。
・梅毒トレポネーマという細菌は血液、体液中に存在する
・酸素が多い所では生きられない
つまり、体液や血液を密着させることが危険行為となります。
飛沫で感染するわけではないのです。
よって、
日常生活のお風呂や食事では家族にうつることは可能性は低い
といえます。
ただし、出血や傷がある場合は念のため避けた方が良いかと思われます。
では、具体的に梅毒感染の危険がある行為を挙げていきたいと思います。
- 唾液を交わすようなキス
- 性行○
- オーラル○ックス
- 感染者の血液や体液に粘膜や傷口が触れる
- 歯ブラシ・カミソリの共用・回し食べなど(可能性は低いが出血時などは念のため注意)
食器の使いまわしや、回し食べは感染の可能性は低いと言えるでしょう。
しかし、口腔内で出血をしていたり大量の唾液が入ったりなどの悪条件が揃えば感染の可能性はあります。
これで、
注意すれば家族にうつる可能性は低い
という理由がわかりましたね。
パートナーとのキスや性交渉、怪我などでの血液に触れる行為に気を付ければ感染の可能性は低いのです。
また、症状の第1期と第2期は感染力が強いと言われています。
前述したように無症状・無自覚の期間があるので、感染に該当する行為をした場合は注意が必要となります。
そして妊婦さんへの感染は胎児にも感染します。
なおさら危険性が高まるので気を付けましょう。
- 感染者の妊婦から産まれた新生児が先天的に梅毒に感染している状態
- 死産、早産になることも
- 発疹、発育不全、けいれん、障害、腫瘍、失明、知的障害、など様々な症状
- 重篤なこともあれば、無症状のこともある
梅毒の予防法
梅毒を予防するにはどうしたら良いのでしょうか?
予防法は至ってシンプルです。
- 不特定多数の相手と性交渉をしない
- パートナーとのみ性交渉をする
- 血液や体液に触れることを避ける
ということが挙げられます。
避妊具、つまりコンドームを付ければいいんじゃないの?
いいえ、それでは完全な予防にはなりません。
確かに避妊具は確率を下げる一因にはなるかもしれません。
しかし梅毒はキスやオーラル○ックスでも感染するのです。
それにコンドームでは確かに外陰部の一部を覆いますが、完全に体液との接触を遮断できる訳ではないのです。
結局、知らない相手との性交渉を避けるのが一番!
しかし、どうしても風俗に行きたい、遊びたいという人もいるかもしれません。
その場合は心当たりがある時は家族にうつることが無いよう努める。
そして何より医療機関で検査をすることが大切だと思われます。
ただし検査は性交渉後すぐにすれば良いというわけではありません。
詳しくは次の治療法と検査の項目で見て頂ければと思います。
梅毒の治療法と検査
梅毒は早めに治療をすれば完治します。
家族にうつる前に医療機関を受診しましょう。
梅毒の治療法
梅毒の治療法はシンプルです。
梅毒にはペニシリン系の抗生物質が有効とされています。
ただし、医師の判断に従い完治するまでは投薬を続ける必要があります。
自己の判断で投薬をやめることが無いよう気を付けましょう。
第2期までに治療をすることが大切
第3期以降はその都度の症状に対する対処療法を続けていく必要があります。
その場合、完治するかは症状の進行度合いによるものと思われます。
医療の発達により、国内における梅毒は人命の脅威では無くなりました。
細菌の進化などにより別の梅毒が出てこないことを祈るばかりですね。
梅毒の検査
梅毒は検査をすれば感染しているかわかります。
梅毒トレポネーマに対する抗体の有無で判断される
抗体があれば感染ということですね。
しかし、この抗体は感染後すぐにできるわけではありません。
梅毒トレポネーマの抗体の産出には3週間ほどかかる
つまり感染後すぐに検査をしても正しい結果が出ないのです。
適切なタイミングでの検査が必要となります。
その他の性感染症
梅毒の他に性感染症にはどのようなものがあるのでしょうか?
いくつか紹介したいと思います。
- 淋病感染症
潜伏期間:2~7日
症状:排尿時の痛み、膿尿、女性は不正出血- クラミジア感染症
潜伏期間:1~3週間
症状:排尿時の痛み、尿道の違和感、女性は無症状も多い- 性器ヘルペス
潜伏期間:2~10日
症状:性器の痒み・不快感・水疱- 性器カンジダ
潜伏期間:不定
症状:性器の痒み、男性は無症状も多い- ケジラミ症
潜伏期間:不定
症状:寄生部位の痒み(主に性器の付近)
他にも、有名な後天性免疫不全症候群(エイズ)やB型肝炎、C型肝炎など様々です。
ここでは例に挙げるだけに留めますが、病気について詳しく知り、しっかり予防をすることが大切ではないでしょうか。
まとめ
梅毒は家族にうつるのか、を切り口に梅毒について調べてきました。
梅毒は注意すれば家族にうつる可能性は低い
ということがわかりました。
梅毒に感染する危険のある行為は下記の5点です。
- 唾液を交わすようなキス
- 性○為
- オーラル○ックス
- 感染者の血液や体液に粘膜や傷口が触れる
- 歯ブラシ・カミソリの共用・回し食べ(可能性は低いが出血時などは念のため注意)
血液や体液、粘膜同士が触れ合う行為に注意でしたね。
そもそも性交渉は、接触度合いが非常に高いです。
性感染症はもちろん、インフルエンザや新型コロナウイルス、いわゆる風邪ですら簡単にうつりかねません。
梅毒だけでなく、様々な病気が家族にうつる危険性をはらんでいるのです。
不特定の相手との性交渉など、心当たりがある時にはお早めに医療機関を受診しましょう。