近年、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻な社会問題となっています。
「お客様は神様」という考え方が行き過ぎた結果、従業員に対する理不尽な要求や暴言が増加。
厚生労働省や自治体もカスハラ対策を強化し、企業の対応マニュアルの整備が進んでいます!
では、
カスハラの対応マニュアルはどのように作られているのでしょうか?
国や自治体が決めたルールはあるの? 実際の企業はどう対応しているの?
本記事では、
- 国や自治体のカスハラ対策
- 企業が実際に導入している対応マニュアル
- 具体的な事例
を詳しく解説!
企業の人事・総務担当者、サービス業に従事する方、自治体職員など、カスハラに関わるすべての方に役立つ情報をお届けします!
1. はじめに

1-1. カスタマーハラスメント(カスハラ)とは
1-1-1. カスハラの定義と背景
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、
顧客や取引先が従業員に対して理不尽な要求や暴言を浴びせる行為
を指します。
1-1-2. カスハラがもたらす影響
カスハラは、働く人々のメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。
過度なストレスが原因で休職や退職に追い込まれるケースも少なくありません。

さらに、従業員が安心して働けない職場では、サービスの質が低下し、結果的に企業の信用も損なわれてしまいます。
つまり、カスハラ対策は
- 「従業員の安全確保」
- 「企業の健全な運営」
の両方にとって重要なのです。
2. 国および自治体によるカスハラ対策


どんな対応マニュアルがあるの?



まずは国の取り組みから紹介しますね
2-1. 厚生労働省の取り組み
2-1-1. カスタマーハラスメント対策企業マニュアルの策定
厚生労働省は、関係省庁と連携し、カスタマーハラスメントの防止対策の一環として、
を作成しました。
このマニュアルでは、
- カスハラの定義
- 事前の準備
- 実際に起こった際の対応
基本的な枠組みが記載されています。
2-2. 自治体の具体的な施策



ここからは自治体、つまり県や府がおこなっている施策を紹介します
2-2-1. 東京都のカスタマー・ハラスメント防止指針
東京都は、
カスハラ防止のための指針(ガイドライン)を策定
し、事業者や就業者の責務を明確化しています。
この指針では、都が取り組むべき施策や、
- 情報提供
- 啓発
- 教育
- 相談
- 助言
などの具体的な内容が示されています。
2-2-2. 自治体の条例制定の取り組み
一部の自治体では、カスハラ防止のための条例制定を検討しています。
例えば、
- 鹿児島県
- 栃木県
では、職員へのカスハラ対策として、実態把握のためのアンケートを実施し、対応マニュアルの整備や職員向け研修を予定しています。



大阪府、東京都、北海道なども取り組みがすでに始まっています。
3. カスハラ対応マニュアルの内容と構成


3-1. 基本方針の明確化
3-1-1. カスハラに対する組織の姿勢
企業や自治体は、「カスハラは許容しない」という方針を明確にし、従業員が安心して働ける環境を整えることが求められます。
具体的には、社内規定や行動指針にカスハラ対策を盛り込み、従業員への教育や研修を実施することが重要です。
参考URL jacds.gr.jp
3-2. カスハラの具体例と判断基準
3-2-1. 正当なクレームとの違い
カスハラと正当なクレームを区別することが重要です。



企業や店側がミスをしてる場合もあるよね
正当なクレームは、商品やサービスの品質に関する合理的な指摘。
カスハラは、
- 人格否定の暴言
- 不当な金銭要求
- 業務外の対応を強要する行為
を指します。
3-3. 発生時の対応手順
初期対応のフロー
- 冷静に対応する:感情的にならず、相手の話を一旦聞く
- 対応の線引きを明確にする:「できること」と「できないこと」をはっきり伝える
- 必要に応じて上司や専門部署に報告する:適切なエスカレーションを行う
これらの対応を徹底することで、従業員の負担を軽減し、組織全体で適切な対応が可能となります。
エスカレーションの方法
- 危険を感じたら即座に上司や警備員に連絡する:従業員の安全を最優先に考える
- 必要に応じて警察への通報も検討する:法的対応が必要な場合は速やかに対応
- 法務部門や労働組合と連携して対応方針を協議する:組織としての統一した対応を確立